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出所:国連FAO統計
 
モーリタニアは、国の大部分がサハラ砂漠地帯にあるため、熱帯性乾燥気候であり、7月〜9月の雨期以外は一般に乾燥し高温である。
森林資源は主に南部地方にあり、野生アカシアからアラビアゴム(年間約8,000トン)を生産し、その殆どがセネガルを経由して海外(主にフランス)へ輸出されている。アラビアゴムは、同国唯一の輸出農産物である。
モーリタニアの農業は原始的かつ小規模で、比較的肥沃なセネガル河沿岸地帯を中心に、デーツ、粟、とうもろこし、米、落花生などの栽培が行われている。
近年、穀物の生産は旱魃によって著しく被害を受け、年間生産量は60年代の約9万トンから84年には15,000トンに低下しており、同年における穀物の国内需要に対する不足量は、138,000トンに達したものと推定される。
モーリタニアの農業生産は、国内食糧需要の僅か10%程度を賄っているに過ぎず、国内食糧需要の少くとも80%をIAO(国際援助機構)からの援助や海外からの輸入に依存している。
鉱物資源は、鉄の大鉱脈(推定埋蔵量約3億トン)がズエラート(Zouérate)を中心としたカディア地方にある。高品質の鉄鉱石(鉄含有量約65%)が過去20年にわたって採掘され、その殆ど全てが国外へ輸出されている。
また、84年7月からグルブス地方のエルライン鉄鉱床からも生産が開始された。この地方には、推定50億トンから60億トンという莫大な鉄鉱石の埋蔵が発見されているが、カディア地方の鉄鉱石と較ベ、鉄含有率(約37%)は遥かに低く、鉄鉱の品質も劣っている。
モーリタニアにおける鉄鉱石の生産は、1974年の1,170万トン(鉄含有量765万トン)をピークとし、世界需要の減退に伴い81年は890万トン、84年には約600万トンと、年々低下している。
鉄鉱石は、長年にわたりモーリタニアの最も重要な外貨獲得源として、同国
 

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