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り、国民1人当り25,930ドルに相当する。1992年の日本の国民1人当りのGNPは28,220ドルであり、デンマークの国民1人当りのGNP水準は、世界工業諸国の中でも最高レベルの一つとなっている。
1985年〜92年の期間に、デンマークの国民1人当りのGNPは年平均1.2%の割合で増加しているが、この期間にデンマークの人口は年平均0.1%の増加に過ぎない。
1980〜91年の期間に、デンマークの国内総生産(GDP)は、年平均実質で2.3%の割合で増加したが、1992年は1.9%の増加、1993年は0.2%の増加に過ぎない。
農業部門(林業、漁業を含む)は、1992年に労働人口の約5.5%(前年は約6.5%)を雇用し、GDPへの寄与率は3.4%(前年は4.0%)となっている。
1991年には国土面積の約64%(前年は約65%)が農業、特に養豚および酪農に使用されている。
デンマークの農業生産は、その大部分が輸出に向けられており、1992年におけるこの分野の輸出額は輸出総額の24%(前年は25%)を占めている。
1980〜90年の期間に、農業生産は年平均3.2%の割合で増加したが、1991年は0.5%の減少となった。
漁業は、1992年に輸出総額の約5%(前年は5.9%)を占めている。
デンマークは、他の北欧諸国にみられる鉱産・林産・水力資源はないが、国土の約64%を占める農地が唯一の資源である。
しかし、地味もやせている不利な土地条件を克服して、世界的な大酪農国となった。
その背景には、優れた協同組合組織の発達と農民への教育・技術指導など、国家の農業政策が大きな原動力となっている。
農民の90%は自作農で、その殆どが家族労働に依存している。1戸当り平均耕作面積は15ヘクタールで、穀物、牧草、飼料作物を輪作して、高度の集約的経営方式を導入している。
農業生産の80%は畜産物で占めており、その大半は重要な輸出品となっており、バター、チーズ、豚肉、べ一コン、牛肉などである。
デンマークは、1864年にドイツとの戦いに敗れ、欧州の穀草地帯であったホルス
 
 

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