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(D)需要状況
近年、旧西ドイツの船腹量が大幅に減少した要因を挙げると、運航コストの低減を図るため非常に多数の旧西ドイツ船主及び旧西ドイツ海運会社所有の船舶が便宜国籍船に切り替えたことであり、また、大型タンカー、バルク/オイル部門で特に大きな減少傾向が続いたことである。
89年から90年にかけて特にシェアを伸ばした船種を挙げると、ケミカル・タンカー1隻(3,580G/T)、LGタンカー1隻(6,065G/T)、冷凍船1隻(5,672G/T)、コンテナ船14隻(226,766G/T)、Ro/Ro貨物船3隻(39,480G/T)、Ro/Ro客船2隻(38,519G/T)、小型客船33隻(8,254G/T)、貨客船7隻(7,977G/T)などである。その反面、オイル・タンカー7隻(45,760G/T)、一般貨物船5隻(46,316G/T)、特殊船2隻(2,200G/T)、その他国際競争力のない多数の船舶が過剰船腹として売却、もしくはスクラップとして処分された。
なお、内航船の多くは(スイス、リヒテンシュタイン、フランス、ドイツ、オランダを経由して北海へ注ぐ)ライン河を中心に、石油・石油製品、鉱石・屑金属、石炭、建設資材などの輸送に就航しているので、船腹量の調整には関係各国の利害が絡み、実施が困難であり、船腹過剰の状況が続いている。
 
(3)港湾事情
 
ドイツには、北海に臨むハンブルグ、ブレーメン、ブレーマーハーフェン、ウイルヘルムスハーフェン、エムデンの各港、及びバルト海に面するリューベック、キール、ロストック、ストラルスンドの各港を含め、合計45港がある。
バルト海と北海を結ぶキール運河(全長98.7キロ、幅102m〜214m、水深11m)は、全長235m、幅32.5m、最大吃水9.5mまでの大型外航船の航行が可能であり、バルト海と北海との水路の近道として貨客輸送上、重要な役割を果たしている。ドイツ諸港による国際海上輸送貨物の取扱量は、次の通りである。
 
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