日本財団 図書館


は石炭が7,020万トン、褐炭が4億1,800万トンに達している。原油の産出量は、1968年の約800万トンをピークに減少を続け、87年には380万トンと半減し、90年には365万トンに減少している。
このほかに、天然ガス、鉛、亜鉛なども産出されるが、その量は少なく、大部分は輸入に依存している。
製造業の比重は他の先進国と比べると大きく、90年の実質GDPでみると、総額の4.1%、就業者数も40.1%を占めている。
業種別にみると、伝統産業の衰退、新たな高度の先端技術集約産業の成長という構造変化が進展している。
1970年代には、消費財分野の繊維、衣料、皮革製品などがマイナス成長を続け、鉄鋼、造船などは横這いで推移した。これに対し、化学、プラスチック製品、事務機器・コンピューター、電機、精密機械などの製造業が成長した。
80年代に入ると、石油精製、鉄鋼、鋼材、造船などの生産財、投資財分野の産業が軒並みにマイナス成長となった。消費財分野では、繊維、衣料、皮革製品に加えて、木工製品も大きく減少した。一般機械は横這いを続けたが、事務機・コンピューターなどは驚異的な伸びをみせ、非鉄金属、航空機、プラスチック製品なども大きな伸びを記録した。ドイツ4大製造工業のなかでは、化学、電機、自動車の3大工業が堅調な伸びを示したが、一般機械は横這いにとどまった。
統一後のドイツ経済は、旧両ドイツ間で著しい対照を示している。旧西独は旧東独からの特需で、引き続き好景気を維持したが、旧東独は市場経済への移行に適応できない旧国営企業の倒産や人員整理によって、失業者が急激に増大している。
ドイツ経済の緊急課題は、旧東独経済の早期復興であり、このため、製造業を中心とした旧西独からの投資促進、財政の投入及び民間資金も導入したインフラ整備が必要とされている。
旧西独の主要貿易相手国である欧州諸国は競争力増強のため投資を積極的に行い、そのための投資財をドイツが供給し、EC諸国への輸出を拡大することが従来からのパターンであった。
しかし、主要貿易相手国の景気後退によりドイツのEC諸国への輸出が縮小した
 
前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION