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により、ECの第3国への輸出が阻害されるなど、EC経済が損害を被った場合、EC委員会が対抗措置をとることができる。
関税制度については、英国はECの対外共通関税制度に従い、輸入に際してはECの対外共通関税を課している。
英国の関税評価は、従価税、従量税、選択関税、複合関税のいずれかにより行われているが、大部分は従価税による。
従価税の課税基準はCIF価格であり、従量税の課税基準は純量による。
関税体系は、(1)EC域内無関税自由貿易、(2)EC域外共通関税率、(3)各国別、各経済、関税同盟協定に基づく特恵税率、(4)発展途上国に対する一般特恵税率、(5)ACP(アフリカ、カリブ海、太平洋地域)特恵税率、(6)EFTA(欧州自由貿易連合)との工業品の無関税自由貿易、(7)その他各国間協定に基づく最恵国待遇などから成る複税制である。
対日適用関税は、EC域外共通関税率が適用されている。
英国政府は、市場経済メカニズムを重視し、政府の経済への介入を極力少なくすると共に、民間部門の経済活動を活発化することによる国内経済の再生を目指しており、その一環として79年に為替管理制度を撤廃した。
問題点としては、英国の大幅な対日貿易赤字(89年62.7億ドル、90年55.5憶ドル)が続いており、将来の日英貿易の発展のため、両国間の輸出入インバランスの改善が大きな課題となっている。
(C)輸入資金の調達状況
英国は、伝統的に海運の強化、確立を国策としているので、英国船主が船舶を海外から輸入する場合でも、何らの制約も受けない。
また、為替管理についても、大蔵省から委任された一般為替銀行で扱っているので、輸入ライセンスがあれば、代金支払いに必要な為替、送金は事務的に円滑に行われるので、船主はこれに相当する自己資金があれば調達は容易である。
(D)契約条件
英国は、輸出船建造の場合を考慮に入れ、新造船契約条件の国際的統一を提唱している国であるので、船価、支払い条件については国際的慣習の範囲内で契約
 
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