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林業は、国土の約22.5%(70万ヘクタール)が森林で、ベルギー南部に広がっており、オーク材が主要木材であるが、近年は針葉樹の植林が活発に行われ、生産も針葉樹に集約されつつある。加工業用の木材は、ほとんどコンゴ(中央アフリカ)からの輸入木材に依存している。
鉱業部門では、ベルギーは石炭以外に鉱物資源に恵まれておらず、鉱業生産のGDPに占める比率はO.2%(90年実績)と低く、また鉱業部門の従業者数も全労働人口の僅か0.3%程度に過ぎない。
 

石炭生産量の推移

 

 
かつて、石炭産業は鉄鋼と並んで、ベルギーを代表する産業で、同国の産業革命推進の原動力となった。
1950年代までは、石炭がベルギー経済を支える基本的なエネルギー源であった。第2次大戦中には炭坑労働者数は、ベルギー就業人口の10%である15万人を超え、大戦後のピークには年産3,000万トンのレベルに達した。
1950年代末、近隣諸国の炭坑の立ち直りや、安価な米国炭の輸入によりベルギー炭坑は不況に落ち入り、一層の集中化、合理化に迫られた。更に、1960年代のエネルギー革命の進展により、採算性の悪い炭坑の閉山が相次ぎ、1980年には年産6,324千トン、1990年には1,037千トンにまで低下し、国内需要を賄うために輸入に頼るようになった。政府は産炭地域に対し、積極的な地域振興策を実施し投資の優遇策を講じている。
工業(鉱業、製造業、建設業、電力事業を含む)は、GDPの30.4%(90年実績)を占め、就業人口全体の約28.2%がこの部門に従事している。ベルギーの近代的鉄鋼業は、既に1817年に蒸気機関製造のための工場に端を発し、
 

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