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ス等を含む工業が30.4%、農林漁業は僅か1.8%を占めているに過ぎず、この比率はここ数年間ほとんど変っていない。
ベルギー産業の特徴として、金融グループによる支配と外資系企業の比重の大きさが指摘できる。
金融グループは、ソシエテ・ジェネラル、ブルフィネ、ソルベー・ジャンセン等10数グループが存在し銀行、保険、鉄鋼、金属、非鉄金属、機械、化学、セメント、ガラス、建設、運輸、製紙、食品など、ベルギーの伝統産業の大部分を支配している。
これらのグループの背後には、少数の大富豪家族が存在し、国境を越えたつながりを持っている。これら財閥の支配は、ベルギーの安定的発展に貢献した反面、その利己的な投資態度がベルギー産業の停滞を招いたとの指摘もなされている。
ベルギーは従来、国内資本投資の停滞を補い産業の国際競争力を維持するため、外資の積極的な導入を図り経済拡大法の制定を初めとして、外国投資の優遇措置を実施してきた。ベルギー製造業における外資系企業の投資総額は、全投資額の4分の1以上にのぼるとされている。
ベルギーは古くから工業国であり、農業生産のGDPに占める比率は僅か1.8%(90年実績)に過ぎない。農林水産業部門の従事者も10万人程度であり、耕地面積も137万ヘクタール(国土面積の約45%)となっているが、なお年々漸減傾向にある。
農家は5ヘクタールから10ヘクタール未満のものが40%弱を占め、農地は更に細分化されており経営効率も低く、近代化の障害となっている。主要農産物は、小麦、大麦、ライ麦、オート麦などの麦類を初め、砂糖大根、亜麻、とうもろこし、ポテトなどであり、酪農、養豚、更には花卉の栽培も行われている。
耕地利用でみると、穀物が26%、工芸用作物10%、根菜類4%、野菜・豆類0.1%、その他約60%となっており、農業の中心は畜産と園芸である。
農業人口の減少にかかわらず、小麦、飼料用穀物を除き、ほぼ自給が可能であり豚肉、砂糖、野菜、果物、草花などは輸出されている。
 
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