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オランダの農業の特色は、畜産・酪農の占める比重が高く、農業生産全体の64%を占め、穀物、じゃがいも、ピート(甜菜)、その他の生産は12%、チューリップ、水仙、ヒアシンスをはじめとする花弁、野菜などの園芸生産は24%となっている。食料の輸出は輸出総額の17.3%(91年)、切り花、球根などは輸出総額の3.1%(同年)に達している。
単位面積当りの飼育家畜数は、ヨーロッパの最高レベルに相当し、牛乳、チーズ、鶏卵、鶏肉、牛肉、豚肉などの大半が輸出されている。
 

家畜飼育頭数

 

 
鉱業については、オランダには天然ガス、石油、塩がある。石炭は1963年には同国のエネルギー需要の44%を占めていたが、天然ガスの発見とともに経済的重要性が著しく低下し、1975年までに全ての炭坑が閉鎖された。
天然ガス田は、1960年にオランダ北東部のフローニンヘン周辺で発見され、埋蔵量約2兆立方メートルで世界最大規模と推定されている。90年の天然ガス生産量は722億立方mで、その半分以上を輸出に向けているが、86年以降、石油を中心とするエネルギー価格の低落とドル安により、オランダの天然ガス輸出額は大幅に減少し同国政府の財政収入にも影響を与えている。
石油は、東部のドレンテ州および西部のハーグ・ロッテルダム間で採掘されているが、産出量は353万トン(90年)で、天然ガスに較べると非常に少なく、国内で必
 

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