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また、延払い条件については、各国ともOECD加盟国として、その協定に準拠して契約しているので大差はない。
船価や納期の点では、わが国が優位にある。
 
(B)輸出対策
フランスの外交、経済は、EC市場統合を目指して推移しているので、EC圏内諸国、特にドイツとの協調は密接である。
フランスの90年における貿易実績では、輸出総額216,580百万ドルのうちドイツヘ36,311百万ドル(16.8%)、輸入では総額234,426百万ドルのうちドイツからは43,969百万ドル(18.8%)輸入している。
これに対し、わが国の対フランス輸出は90年6,128百万ドル(91年6,177百万ドル)、輸入は90年7,590百万ドル(91年5,813百万ドル)に過ぎない。
欧州先進工業国のうちで、特にフランスは先端産業やサービス業に優れ原子力関係、海洋開発、航空宇宙産業などの世界における先進国の一つである。
従って、船舶、重化学工業品などの輸入に際しては、高度の性能や技術が要求される。
こうした事情に精通したドイツをはじめとして、各競争相手国はそれぞれ特殊性のある製品を技術面からPRして、より良い製品の輸出に努力している。
 
(C)フランスに対する歴史的、経済的なつながり
日仏間の本格的交流が始まったのは幕末以降であり、フランスの法体制、産業技術、文学、思想などが明治時代の日本社会の形成に大きな役割を果たした。
わが国とフランスとの通商関係では、1964年に発効した最恵国待遇を定めた貿易協定があるほか、貿易議定書が締結されている。
フランス側の統計によると、90年の対日貿易は輸出(FOB)が219億4,300万フラン(前年比4.4%増)、輸入(CIF)が508億6,400万フラン(同1.3%増)で、対日赤字は前年の292億2,200万フランから289億2,100万フランヘと、僅かながら縮小した。
両国間の貿易がそれぞれの総貿易に占める比重は小さいが、貿易収支は恒常的にフランス側の入超を示している。
 
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