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この助成措置は必要最小限の範囲で行なう方針になっているので、船主としては輸入資金は自己資金にウエイトを置かなければならない。しかし、この自己資金の調達が出来れば船舶の輸入は無税であり、また、輸入代金の支払いは銀行経由で事務的に処理できるので問題はない。
(D)契約条件
契約条件の重点は、納期、船価、クレジットの期間などであるが、フランスが要求する支払い条件は大体、OECDコードに従っており、支払いについては現金払いか、又は頭金30%、残り70%を7年の延払いというケースが多い。
問題は、船価、納期などを国内発注の場合より船主にとって有利な条件とすることである。
(E)取引ルート
フランスには大小60有余の海運会社があるが、その多くは中小企業であり、これの会社は海外に自社の支店や連絡機関を常設していない。
従って、海外の造船事情について十分に認識されていない。わが国に関しても、一般的な知識はあっても、造船界における細部にわたっての正確な認識度は浅い。
それ故、取引きの前提として先づこれらの船主への直接のPRと接触を図ることが取引きへ導くための有効なルートと考えられる。
 
(7)競争相手国との競争条件の比較
 
(A)延払い、船価、品質等条件の比較
現在、フランスの海運界で保有している各種船舶のうち自国建造船以外に海外からの輸入船は、わが国をはじめとして西独、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、オランダ、英国、イタリア、ベルギー、デソマーク、スペインなどの造船国で建造された船舶である。
これらの船舶は、いずれも高水準の造船技術と多くの建造実績や豊富な経験を有する造船国の建造船であるから、品質・性能などの点では目立つような優劣の差はない。
 
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