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(7)競争相手国との競争条件の比較


(A)延払い、船価、品質等条件の比較

ルーマニアは船舶を輸出しているので、船舶の輸入についても、延払い、船価ともに国際市場なみに処理している。

従って、先進造船国からの輸入船舶は、いずれも船価、支払い条件とも殆ど同一レベルにあり、大差はない。

品質の点では、経験、実績、技術などの面からみて、わが国を含め先進造船国が旧コメコン諸国より、遥かに優れている。

また、納期についても、わが国は更に優位にあるが、船価の上では最近の急激な円高により、不利な立場にある。



(B)輸出対策

ルーマニアは、第2次大戦後の1948年に社会主義政権の下で産業の国有化が行われ、計画経済原則により急速な工業化政策が導入された。

国内の造船業については、旧ソ連の経済・技術援助ならびに指導の下に、急速に目覚しい発展を遂げ、旧コメコン目内における主要造船国となった。

現在、技術的にも、大型船の建造が可能となったが、欧州先進造船諸国の水準にまで達していない。特に高度の先端技術や経峨を必要とする特殊船などは、未だ国内造船所では消化できない。

従って、ドイツ、オランダ、イタリア、フランス、英国など欧州先進造船国は、この点に着目し、特殊船などの輸出に努力すると共に、それを促進する一つの手段として、ルーマニア産品の輸入に努め、その見返りにルーマニア向け輸出の拡大を期待している。

最近におけるこれら各国とルーマニアとの輸出入貿易の伸びは、これを裏付けるものといえる。



(C)歴史的、経済的なつながり

西暦106年、ルーマニア原住民の国ダキアがローマ帝国に征服され、ダキア人と





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