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(B)輸出対策

ポーランドは、経済発展と貿易拡大によって外貨の獲得を図るため、近年、自由主義諸国との経済交流を活発に行っている。また、自国産品の国際競争力を強化するため、西欧先進工業国の技術の導入に力を入れている。

ドイツ、英国、フランス、イタリアなど西欧先進工業国は、重化学工業化を図るポーランドに対し、白国技術の輸出やライセンス供与などを行って、これを自国とポーランドを結ぶルートにして、自国の輸出の促進と拡大を図っている。

また、ドイツ、英国をはじめ西欧先進国は、ポーランドの民主的な社会建設および自由市場経済への移行を支援するため、各種の援助・協力計画を実施し、その見返りに自国製品輸出の拡大を図っている。

わが国の貿易に占めるポーランドの割合は、僅か0.1%程度と極めて小さいが、恒常的に日本側の出超が続いており、自発的に貿易インバランスの是正に努力することが必要とされている。



(C)歴史的、経済的つながり

ポーランドは、16世紀末頃には北はバルト海から南は黒海に至る欧州最大の王国であったが、18世紀後半の1772年以後3回に亘って、東部はロシア、西部はプロシア、南部はオーストリアに、それぞれ侵略され、分割領有され、ポーランドという王国は地上から消え去った。

その後、19〜20世紀にかけて、分割されたポーランド人の民族運動が活動をはじめ、1848年には、その頃欧州全土を巻き込んだ革命の波に乗って、従来の「農民一挨」のスローガンのほかに農民解放、封建制廃止、労働者の諸権利に対する闘争が加わって活発な運動が続いた。

その後、第1次世界大戦後の1918年にポーランド共和国として独立した。

ポーランドは、1932年にソ連と、1934年にはドイツと不可侵条約を締結したが、1939年に至り、ドイツがポーランドに対してダンチヒ自由市のドイツヘの併合を要求したのを拒否したことから、ドイツはポーランドとの不可侵条約を破棄して、ソ連と独ソ不可侵条約を締結した上、39年9月にドイツ、続いてソ連の侵入を受け、ポーランド政府はパリを経てロンドンヘ亡命した。





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