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(D)契約条件

ポーランドは外貨不足に悩んでいるので、輸入には見返りとして自国産品の貸付けや長期のクレジット供与を条件として要求する場合が多い。

従って、支払い条件は延払いということになるが、一般に国際慣習の線に従っており、最近の例でも船価の70%を7年の延払いとする程度である。



(E)取引ルート

ポーランドにおける輸入取引きの当事者は、船舶を担当する公団と、輸入業務を扱うことを許可された特定の海運会社であり、ともに一般に、直接交渉となる。

従って、取引ルートはこの2者と接触することによって開かれるが、このほかに、輸入に関係のある有力な機関として外国貿易省と外国貿易会議所がある。

特に外国を貿易省は、場合によっては、契約当事者に影響を及ぼすことがあるので、これらの機関の関係者との接以とPRが必要であり、これが取引きを円滑に進めるのに役立つことが多い。



(7)競争相手国との競争条件の比較



(A)延払い、船価、品質等条件の比較

延払いについては、既に述べたように国際慣行の線で行われているので、各国とも概ね同一レベルであり、大差はないとみられる。

船価については、ポーランドの内情に通じている欧州の諸国であり、建造した船舶も特殊なものはなく、一般的なものであるから、船価に大差はない。我が国は最近の円高の急激な昂進によって不利な立場にある。

品質の点では、一般の中小型船が多いこと、建造国はいずれも欧州における先進建造国であることなどからして、良質であり、欠陥はないものと思われる。





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