あり、また特殊の技術を必要としないが、高度の技術水準にあるドイツ、オランダ、イタリアなどの製品は、ハンガリー国内建造のもの、旧ユーゴ建造のもの等よりも優れている。
しかし、ハンガリーの船舶は特に難しい建造技術を必要としないので、国内および旧ユーゴの建造船でも良質であり、欠陥はない。
船価の点では、低船価を武器として近隣の外国市場へ進出しているユーゴが有利な立場にある。
(B)輸出対策
長年に亘りハンガリーの最大貿易相手国であった旧ソ連の経済混乱と支払い能力の低下、およびハンガリーにおける輸入の自由化もあって、ハンガリーの対ソ貿易は大幅減となっている。一方、ハンガリー企業は市場経済化に伴い、対西側貿易の拡大に移行しつつある。
ハンガリー第1の重要産業である工業は、経済改革、即ち民営化、補助金削減、外資導入などにより、リストラクチャリング中であるが、旧ソ連・東欧市場崩壊の影響を受けて、生産は減退し不況に追い込まれている。
特に重化学工業は、技術の遅れや設備の老朽化が問題化しており、その整備と再建に西欧先進工業国の最新技術および資金面での協力を期待している。
ドイツその他の競争相手国は、将来におけるハンガリーの船舶および関連機器の輸入増大を期待し、自国の先端技術や資金の供与など協力に積極的であり、ハンガリー工業との結びつきを強化することによって、自国製品の対ハンガリー輸出の促進に努力している。
(C)歴史的、経済的なつながり
ハンガリーは、西暦896年にウラル山脈地方からマジャール人が移住し、1001年に初めて王国を樹立したが、1241〜42年にモンゴール人が侵入し、国土は荒廃に帰した。
14〜15世紀に至って、ハンガリーはヨーロッパでは最強の国となり、王制の下にルネッサンス文化の華やかな時代が続いた。