省から輸入ライセンスが交付されると、これに必要な外貨割当が中央銀行で裏付けされる。
貿易企業が輸入代金支払いの際は、この輸入ライセンスを中央銀行に提示し、同時に輸入に必要な外貨と同額のハンガリー通貨(フォリント)を支払えば、中央銀行を通じ公認商業銀行から外国為替が発給される。
これらの手続きは、事務的処理で円滑に行われるので、企業は輸入代金に見合う自己資金があれば何の問題もない。
(D)契約条件
ハンガリーで稼働している船舶は、内陸水路が主であるから、1,000G/T級以下の小型船が大部分を占めており、最大の船舶でも1万G/T程度である。
従って、輸入する場合の支払いも、現金払いのケースが多く、また一般の小型貨物船であるから、仕様についても特に難しい条件を要求するようなことはない。
(E)取引ルート
1980年以来、ハンガリーの外国貿易機構の近代化が推進され、更に88年には貿易の自由化に伴い新たな法令が制定された。
それに基づき、国内の貿易業者は特定の貿易機構とは関係なく、直接に海外の相手方と貿易取引きを行うことが認められるようになった。91年現在、国内にこれら貿易商社が約130社あり、その90%が外国の相手方と輸出入業務を行っている。
従って、これら貿易業者のうち船舶に関係あるものへの接触とPRを行うことが、取引きへのルートになるものと思われる。
(7)競争相手国との競争条件の比較
(A)延払い、船価、品質等条件の比較
従来、ハンガリーが輸入してきた船舶は、旧西独、イタリア、オランダ、旧ユーゴなどで建造されたものである。ドイツは、ハンガリーの必要とする小型船舶には多年に亘って豊富な建造実績が