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  (D)契約条件

 中国における船舶の輸入は、急速に船腹を増強して、自国海運の強化、確立を図ることが主要目的であることから、第1に短納期、次いで低船価、高性能の近代的経済船であることが、契約上の重要な条件である。
 支払い条件は、特別の場合を除き、一般に現金払いであり、延払いを要求された例は殆どみられない。

  (E)取引ルート

 中国の対外貿易額は大幅な増加を続けており、91年、92年には輸出入ともに頗る好調で、貿易バランスは黒字が続いている。
 このような状況の中で、わが国は香港、ドイツ、台湾、ロシア、フランス、英国などと、激しい競争が展開されている。
 この厳しい条件を克服して、中国市場へ進出するためには、中国が船舶の輸入を決定する機関の中国机機迸出口怠公司(中国輸出入会社)、対外経済貿易省の対外貿易部担当者と直接接触できる機会をつくり、中国の必要とする近代的経済船を、高性能、短納期、割安な船価で提供できるよう技術的説明を主にしてPRすることが、取引きへのルートになる。

(7)競争相手国との競争条件の比較

  (A)延払い、船価、品質等条件の比較

 中国における船舶輸入の重要点は、第1に納期、次いで船価、品質であり、支払い条件は特別の場合、例えば政府間貿易などでプラント類を輸入する場合、延払いが支払条件となることがあるが、一般に船舶は現金払いである。
 また、納期、品質については、わが国は西側先進競争国よりも優位にある。船価の点では、最近の円高の高進の影響で不利な地位にある。

  (B)輸出対策

 米国は中国に対し、石油開発、コンピューター産業、資源開発などの分野における経済技術協力による進出にとどまらず、自動車、銀行、金融関係などの米国産業界の要人が相次いで訪中し、各産業分野に基盤を築いている。この結

 

 

 

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