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為替管理制度については、中国人民銀行が中央銀行の機能を果たし、外貨を管理している。具体的こは、中国人民銀行の国家外国為替管理局が“元”レートの設定など外貨管理を専門に行っている。
 中国銀行その他の金融機関は、外国為替管理局の許可を受け、指定された外国為替業務を行うことができる。
 外貨取引は、一般に外貨計画に従って行われる。外貨計画のうち対外貿易、対外借款、対外援助にかかわる部分は、対外経済貿易省が作成し、他の政府各部門の外貨予算は財政部が作成する。
 外国為替管理局は、計画のうち地方政府、各政府部門の貿易外取引などにかかわる部分を作成する。
 外貨計画全体は、外国為替管理局によって調整され、国家計画委員会による他の計画とのチェック、再調整を経た後、国務院に送付され、批准される。
 中国が西側諸国との貿易を行う際の決済通貨は、人民元、相手国通貨もしくは交換可能通貨(米ドル、英ポンド、ドイツ・マルク、フランス・フランなど)である。中国貿易では、現在、輸出では米ドルに次いで日本円もかなりのウエートを占めているが、輸入では米ドルが大半を占めている。
 人民元の為替レートは、国際貿易通貨バスケットの価値変動に従って調整される。元・ドルレートは、このバスケットの価値から直接算定され、その他の通貨のレートはクロス・レートによって算定される。
 なお、為替レートは、外国為替管理局が毎日公表している。
 最後に、船舶の輸入は特に免税となっており問題はないが、将来問題となると思われるのは、中国の輸出拡大と、円高の急激な高進により、中国とわが国との貿易のバランスは日本側の大幅な入超が続いていることである。

  (C)輸入資金の調達状況

 既に述べたように、輸入計画書、外貨割当申請書を対外経済貿易省に提出し、承認されれば、これに見合う外貨が国家経済委員会から割当てられるので、輸入者は中国人民銀行への事務的手続きにより、容易に調達できるので、なんら問題はない。

 

 

 

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