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(3)港湾事情

中国本土の海岸線の総延長さは18,000キロに及び、北は大連、秦皇島、天津の各港から、南はトンキン湾に至るまで、大小合わせて2,OOO以上の港があり、現在その約90%は外国船の出入港が許可されている。
 中国の港湾は、河口港と、湾を利用した臨海港とに分けられるが、外航船の収容可能な港は30港以上もあり、バース総数も900バースを超えているといわれている。
 最近における中国の対外貿易量の激増に伴い、各港湾の受入能力が不十分であり、増大する需要に対応するため、各港湾の拡充・新設、荷役設備の近代化が積極的に推進されつつある。
 中国の国際貿易貨物の約90%は、臨海港を通じて行われているが、対外貿易にとって最大の障害は、水深の深いバースが不足していることである。
 既に述べたように、中国の港湾は河口港と臨海港とに大別されているが、河口港としては、上海、黄 、天津、湛江の4港が代表的であり、臨海港としては、大連、青島、秦皇島の三港が代表的な港湾である。
 中国の港湾は、いずれも水深の関係で船型が大きく制約されているが、特に上述の4河口は土砂の堆積が甚だしく、常に大規模な凌深を必要としており、岸壁沿いの水深が満潮時で12mあるバースは少ない。
 また、1万DWT級船舶の収容可能なバース数は、上述の7大港と合わせて約140あるが、その他の13主要貿易港では、合計30以下に過ぎない。
 更に、船舶の受入れ能力については、貨物の保管倉庫や鉄道施設の面からも制約されている。中国諸国による海上輸送貨物取扱量は、1991年には5億トンを超えているが、そのうち対外貿易貨物取扱量は約2億トンとなっている。
 中国第1の商港である上海は、出入港船腹量でも荷動きでも第1位を占めているが、その大半は国内貿易貨物であり、対外貿易では大連が首位を占めている。
 上海、大連、秦皇島の3港による貨物取扱量は、中国全体の国内・対外貿易量の50%以上を占めている。
 既に述べた7大港の取扱い貨物を品目別にみると、バラ積み貨物が圧倒的に多

 

 

 

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