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  (E)取引ルート

 ロシアにおける船舶輸入に関する商談の取引き段階での交渉相手は、貿易公団(スドインポート)や在日通商代表部であり、出先機関である通商代表部との交渉はもちろん必要であるが、直接に契約当事者となる公団との接触、交渉が最も重要である。
 従って、代表部の船舶関係者に対しては常にわが国の造船事情のPRを行い、これを通じて公団に認識を深めさせると共に、公団の担当者にも接触して、更に技術的内容や有利性のPRに努力することが、取引きのルートになる。

 

(7)腕色相手国との腕争条件の比較

 

 (A)延払い、船価、品質等条件の比較

 旧ソ連が従来輸入した船舶は、旧コメコン内で分業専門化した東欧造船国で建造したものを主としており、その他は日本、西欧の先進造船国建造のものである。
 タンカー、バルク・キャリア、一般貨物船などはもちろん、各種の専用船、特殊船などの建造に関して、ロシアは各造船国の建造水準に精通しているので、船種、船価、納期などを十分に考慮し、更に政治的配慮を加えて最も適した造船国へ発注している。
 従って、技術の点では、西欧は東欧よりも上位にあると思われる。延払い条件については、概ね国際慣習の線に沿って行われているので、各国とも大差はない。
 わが国は、品質、納期ともに各国よりも優位にあるが、船価については最近の円高の急騰により、不利な地位にある。

 

  (B)歴史的、経済的なつながり

 第2次世界大戦後、わが国と旧ソ連との貿易が本格的に開始されたのは、1957年に日ソ通商条約と貿易支払協定が締結されてからである。
 I970年代に入ってから両国貿易関係は拡大を続け、81年の輸出入合計で50億

 

 

 

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