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れており、ロシア国内の個人宛に国際郵便で送られる物品や、入国する人々によって搬入される規定量以上の物品に対する関税は、関税率表とロシア国内の小売価格を考慮して特別の税率で賦課される。

 関税以外の諸税:消費財には取引高税が賦課される。
 なお、関税制度は改定作業が進められており、近く新関税制度が導入される予定といわれている。
 わが国とロシアとの貿易は、日本側の入超(92年13億1,200万ドル)で推移していること、ロシアの要求する契約条件が一般に厳しいこと等のほかには、特に問題はない。

  (C)輸入資金の調達状況

 ロシアにおける船舶輸入の当事者は、船舶担当の公団(Sudoimport)であり、全経済計画に基づいて、対外経済関係省の決定に従って行われている。
 従って、輸入に必要な外貨は予め国家予算に組み込まれており、かつ外国への支払いは対外経済銀行(ブネジュエコノバンク)が行うので、何の問題もない。

  (D)契約条件

 ロシアにおける船舶輸入に関する条件は、概ね国際的慣習に従っているので特に問題となるものはない。
 支払いは、ドル、ポンドなど自由交換可能通貨による場合と、2国間清算勘定方式による場合とがある。
 ロシアと契約する場合、特に注意すべきことは、契約書に記載する場合には各条項の内容を正確、明瞭に記述することである。
 これは本来、いかなる国のいかなる契約の場合でも、当然守るべきことであるが、ロシアは特に厳しく、どの条項についても、自国側に有利となるような解釈をするからである。

 

 

 

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