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非効率的な老朽船であり、代替の必要に迫られている。
 しかし、既に述べた通り、パラグアイは農業・牧畜業・林業を主要産業とするラテン・アメリカの典型的な開発途上国で、農・牧・林産物およびその半製品(木材・食肉)を輸出し、日常消費物資の大部分を含む工業製品を輸入で賄っている原料輸出国であり、莫大な貿易赤字を抱え、極度の外貨不足に悩まされているため、海外からの十分な資金協力を受けなければ、自国商船隊の増強・拡充は困難な状況にある。

(3)港湾事情

 パラグアイは平原内陸国で、国土の四方が陸で囲まれ、国の中央部をパラグアイ川が南北に流れ、パラグアイ川の沿岸にアスンシオン港をはじめ、サン・アントニオ、プエルト・ビレタなどの諸港がある。
 このほか、パラグアイ川には河口から2,160キロ上流にバレミ港、2,131キロ上流にカサド港、1,940キロ上流にコンセプシオン港、1,337キロ上流にピラ港などの小港があり、パラナ川には河口から1,583キロ上流にアンカルナシオン港があり、いずれも内陸の貨客輸送に重要な役割を果たしている。
 パラグアイにおける主港湾の設備その他の概要は、次の通りである。

1.アスンシオン港(Asuncion)

 同港は、アルゼンチンのブエノスアイレス港から、パラグアイ川を1,630キロ遡行した地点に位置し、パラグアイ最大の貿易港であり、綿花、植物油、大豆、穀物、動物飼料、木材、タバコ、コーヒー、食肉などの輸出貨物と、原油、石油製品、機械類、電気機器、化学品、肥料、アルコール、織物などの輸入貨物を扱っている。
 埠頭は全長880m、新埠頭は320mで、満潮時には最大3,400DWT、最大吃水4.9mまでの船舶の収容が可能である。
 埠頭には、敷地面積97m×37mの上屋2棟、貨物揚卸し装置(能力3トン)2基、門形クレーン(能力6トン)2基などの設備があり、旧埠頭との接続地点には固定式重量物吊上げクレーン(能力20トン)1基がある。
 旧埠頭は2区画から成り、第1区画(長さ250m)には上屋3棟(各敷地面積67m×27m)、クレーン3基(能力3トン×2,5トン×1)がある。第2

 

 

 

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