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を建設し、この地方の植民の根拠地とした。
 アスンシオンは、欧州への銀の積出港として繁栄し、スペイン総督府が置かれた。
 1617年に、この総督府はブエノスアイレスヘ移され、それ以来パラグアイは内陸国となった。
 1810年にパラグアイは独立を宣言し、ブエノスアイレス総督府からの遠征軍を2度にわたって撃退し、1811年5月14日に独立を達成した。
 その後、1864年にパラグアイは、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイの3国同盟を相手とする戦争(1864〜1870年)に敗れ、領土が半減し、国民の数は60万人から22万人へ激減した。
 更に、1932年に北部地方における国境紛争をめぐり、ボリビアとの間に戦争(紛争地域の名称からチャコ戦争(1932〜1935年)と呼ばれた)が勃発し、結果的にパラグアイは紛争地域の大部分を確保したが、財政的に大きな痛手を受けた。
 第2次世界大戦では、パラグアイは1942年に枢軸国との断交を行い、1945年に宣戦布告をした。
 パラグアイは19世紀以来、政情が不安定で、政党間の抗争、内紛などが続いていたが、第2次大戦後もその状況は変わらず、1947〜1954年の7年間に6人の大統領の更迭が行われた。
 1954年5月、クーデターが起り、その中心人物のストロエスネル陸軍司令官が大統領に就任した。
 その後、ストロエスネル大統領は1958年、1963年、1968年、1973年、1978年、1983年、1988年の大統領選挙に当選し、8期にわたり政権を担当したが、1989年2月に軍部によるクーデターによって、34年間に及んだストロエスネル独裁政権は崩壊し、1989年5月の総選挙(大統領および上下両院議員)を経て、ロドリゲス将軍が正式に大統領に就任した。
 1992年6月施行の新憲法に従い、93年5月に大統領選挙が行われ、与党コロラド党のワスモシ氏が当選し、同年8月に大統領就任式が行われ、39年振りに文民政権が発足し、政情の安定が期待されている。任期は5年で、再選が可能である。
 現政権(ワスモシ政権)は、経済安定・インフレ抑制に力を入れており(1994年のインフレ率は15.1%)、財政面では徴税の強化により黒字を計上したほか、

 

 

 

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