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 製造業は、1992年に就業労働力の17.0%を占め、GDPへの寄与率は17.7%に達している。
 製造業で最も重要な分野は、付加価値額からみると、1992年では非鉄金属(製造業全体の25.1%)、食料製品(同19.2%)、石油精製(同7.6%)、紙製品および化学品などである。
 1980〜92年の期間に、製造業のGDPは年平均3.6%の割合で成長した。
 チリの工業政策は、伝統的に輸入代替政策であり、国内産業保護政策であった。このため、技術や設備の遅れにより生産性は後退し、品質は低下し、国際競争力を失った。
 伝統的な工業としては、繊維、食品、紙パルプ、皮革などの軽工業であったが、最近では政府の積極的な育成政策によって、鉄鋼、自動車、石油化学工業なども発達してきた。
 特に、産業開発公社(Corporacion de Formento de la Produccion)は、これら基幹産業を重点とした工業分野への積極的な投融資を行って、工業化推進に中心的役割を果たしている。
 製造業の全企業4,330社(従業員10人以上の企業)のうち、最大の産業規模は食品・飲料・タバコ部門である。
 この部門の企業数は約1,530社で、全製造業の35.3%、従業員は約8万人で、同30.4%を占めている。しかし、付加価値額は非鉄金属部門に次いで第2位となっている。食品・飲料部門には、輸出産業として重要な果物・野菜缶詰業者、水産加工業者、ワイン製造業者などが多数含まれている。
 非鉄金属産業の主な分野は、チリ最大の外貨収入源である銅鉱石、その他鉱石の精錬、一次加工である。
 製紙部門では、豊富なパルプ資源が注目されており、日本企業も進出している。
 従業員10人以下の製造業の企業(従業員5〜9人)は約4,150社、従業員約

 

 

 

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