観光業は、エクアドルにとって有力な外貨収入源となっている。86年の外国人観光客数は252,500人で、1億7,000万ドルの外貨を獲得した。世界的人気のある観光地はガラパゴス諸島であるが同地は観光施設、自然保護などの制約があり、今後の急発展は期待できない。そのため、施設の完備した都市部への観光開発に、政府は積極的に力を入れている。
建設部門は従来、建設需要の殆ど全てを公的部門の発注に依存していたため、最近における政府の緊縮政策の強化によって大きな打撃を受けている。
一方、都市・農村開発、住宅、水利などの地域開発のうちで、住宅は不足しており潜在的需要は大きいが、インフラストラクチャーの不備が妨げとなって、実需として反映されていない。
エクアドルのエネルギーは、主として水力発電と火力発電によって供給されており、鉱物性燃料や潤滑油の輸入は少なく、輸入総額の僅か3.8%(89年実績)を占めているに過ぎない。
サービス部門がGDPへ占める割合は48.4%(89年実績)と高く、労働人口の約24.6%がこの部門に従事している。この部門の生産は、1980〜88年の期間に年率平均1.1%の成長を遂げた。