財政に改善がみられたのは、政府が緊縮財政政策をとる一方で付加価値税の対象拡大、さらに、所得税、固定資産税を中心とした税制改革による租税収入増大、インフレ抑制のために基礎物資の価格凍結を行ったことなどによる。
グァテマラにおける物価上昇率は、85年18.7%、86年36.9%と高騰が続いたが、87年には12.3%と沈静化Lたが、89年は20.17%へと高進した。
グァテマラは、コーヒー価格の暴落などにより、国際収支面で赤字の拡大に悩まされ、米国をはじめEC、西独などからの経済援助に大きく依存している。
また、89年11月に通貨の自由化が実施されたことにより、インフレ高進の増幅が懸念されている。
なお、対外債務残高は88年当初の34億ドルから、89年末現在26億100万ドルに減少した。一方、外貨準備高は88年来の2億100万ドルから、89年末現在4億4,000万ドルに増加した。
中米の全土は、1524年から1821年にわたって、スペインの統治下に置かれていたが、1821年に独立を宣言し、1823年に中米諸州連合(Confederation of Central America)を結成した。
1838年にグァテマラ共和国(Rep'ublica de Guatemala)が成立し、長期独裁政権による支配が続いた。
1944〜54年に自由主義的改革が行われた。
1954年に保守政権による統治が開始され、1965年に憲法が制定された。
1982年にモント将軍によるクーデター、翌83年にはメヒア国防大臣によるクーデターがあり、85年に至って新憲法が制定され、大統領選挙が実施された。