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  (D)取引ルート

 メキシコにおける船舶輸入の当事者は、概ねPEMEXとTMMの2社に絞られるが、一応入札形式、見積り合わせが行われるので、事前に現地で十分な説明やPRをしておくことが重要である。
 また、政府機関、国営企業などの資材調達は、一元的に商工業振興省が管理し、特に公共部門の輸入に対しては管理を強化しているので、これらの関係機関とも接触し交渉のできるような態勢を整えることが、取引きにつながるルートである。

(7)船舶輸出対策

 従来、PEMEXおよびTMMが輸入した船舶は、日本、西独、スペイン、米国、カナダ、英国、フランス、イタリア、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ポーランド、ブラジルなど極めて多岐にわたっており、世界の主要造船国に幅広く発注されている。従って、国際競争は激しいと言うことができる。
 これらの船舶は、LPGキャリア、冷凍船など特殊船もあるが、大体は一般の中小型貨物船、タンカーなどであり、どの造船国にとっても技術面で優劣はなく、また品質についても各国同等である。
 欧米各国は、従来の経験からメキシコについて経済事情、海運事情などに十分な認識をもち、適格な船型、性能の船舶を売り込むと共に、運航上、乗組員の訓練指導などについて、技術的な面での協力を与えて自社の立場を有利にするよう努めている。
 これに対し、わが国とメキシコとの関係は古く、1964年以来、かなり多数の船舶を輸出してきたが、一般商船の輸出は近年長い間途絶えている。
 従って、今後も予想される漁船をはじめ、タンカー、プロダクト・キャリアー、一般貨物船などの発注計画については、メキシコ型の伝統を尊重した近代的船舶の設計、仕様など技術面でのPRが有効な対策と考えられる。

 

 

 

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