的な輸出産品の綿花の地位も漸次低下の傾向にある。
農産物のうち、綿花、砂糖およびコーヒー以外は内需用であるが、いずれも生産は停滞もしくは減産傾向にある。
メキシコ
人の常食であるトウモロコシは、全穀物消費量の約4分の3を占める最も重要な農産物である。年間1人当たりのトウモロコシ消費量は約180キロといわれ、大量の輸入を必要とし、88年の輸入額は3億9,400万ドル(前年比38.9%増)に達した。綿作は第2次大戦後目覚ましい発展を遂げ有力な輸出産品となったが、最近は生産が大幅に減少、かつ内需が増大しているので輸出産品としての地位は著しく減退している。その最大理由は、作付面積の減少で、これは綿花と小麦が同じ地域で栽培され、綿花から小麦に切り換える傾向が強いことや、主産地のカリフォルニア州で塩害のため生産が大きく減退したことなどによる。
牧畜業も農業と同様にメキシコにとって重要産業であるが、経済全体における相対的地位は減退しつつある。最も重要な家畜は牛で、北部の台地と南部の海岸地帯に集中している。
林業については、国士の約4分の1が森林であり、輸送網の発達している地方は