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  (C)モロッコに対する歴史的、経済的なつながり

 モロッコは、7世紀末にアラビア人が大シェリフ帝国を建設して繁栄していた。1912年にフランスが、燐鉱石など地下資源の豊かなモロッコを保護領とし、その一部はスペインに委譲してスペイン保護領となっていた。
 1943年以後、モロッコ独立運動が展開され、反仏暴動が全土に広がり、遂に56年3月フランスに対して、モロッコの独立を認める共同宣言に同意させ、直ちにフランス領モロッコが独立、同年4月スペイン領モロッコも併合、さらに10月にはタンジールも併合した。
 1957年に首長を国王と称号し、国名も王国と定めた。72年3月10日新憲法が発布され立憲王国となった。
 モロッコの種族は、先住民族のベルベル人(64%)、アラビア人(30%)、その他混血民族から成っている。公用語はアラビア語であるが、国民の大多数はベルベル語を日常使用し、北部地方ではスペイン語、その他の地域ではフランス語が使用されている。
 政府出版物や商業用文にはフランス語が多く使用されている。商取引きではフランス語が一般的であり、英語は殆ど使用されていない。
 わが国は、1956年6月モロッコの独立を承認するとともに、1961年に大使館を設置し(モロッコは1965年にわが国に大使館を設置)、伝統的に友好関係にある。
 現在までのところ、要人往来等は比較的少なく、わが国が供与している円借款、技術協力を中心とする経済協力関係が主である。
 わが国の対モロッコ経済協力では、政府べ一ス資金協力(有償協力)の供与累計額が83年末時点で233億円で、内訳は全額円借款(国鉄輸送力増強などプロジェクト援助)である。
 無償資金協力では、1986年度までの累計額が37億9,700万円(アガ

 

 

 

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