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  (D)契約条件

 モロッコは従来、新造船の場合、早期の引渡しを要求するので、取引き、交渉の際には納期の長短が重要な問題となる。
 モロッコは、比較的規模の大きい予算を組んでいるので、延払期間の長短はそれ程大きな問題ではない。
 かつて、わが国が受注した冷凍運搬船2隻、タンカー1隻などの場合も、支払条件は全額現金払いであった。
 従って、妥当な船価、短納期が重要な条件となる。

  (E)取引ルート

 モロッコにおける取引きの交渉相手は、政府機関の場合が多い。
 また、この引合い、入札にかける船舶の輪入計画は、通産省(Ministry of Trade & Industry)、運輪省(Ministry of Transport)、大洋漁業・商船省(Ministry of 0cean Fisheries & Merchant Navy)などが中心となって決定する。
 従って、これら関係当局と常時接触できる機会をつくり、PR活動を行うとともに早期に情報を入手することが、取引ルートヘの手順である。

(7)競争相手国との競争条件の比較

  (A)延払い、船価、品質等条件の比較

 既に契約条件の項で述べた通り、船舶輪入には短納期が必要となるが、この点では、工数の少ない、引渡し期間が短かくてすむ、しかも納期が正確なことで定評があるわが国が有利な立場にある。
 品質では、モロッコが最も重視している冷凍船、ケミカル・タンカー、LPG

 

 

 

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