林業では、森林面積は900万ヘクタールで、その大部分は国有林である。コルクは林産品のなかでは最大の輪出商品となっている。燃料用木材は概ね自給できるが、建設用木材、パルプ用木材、坑道用木材などは輸入に依存している。製材用、坑道用、パルプ用の樹脂質木材の増産を図るため、現在、大規模な植林計画が推進されている。
鉱業は、労働人口の僅か1%程度を雇用しているに過ぎないが、モロッコ経済にとって最も重要な部門となっている。
鉱産物としては、燐鉱石、鉄鉱石、マンガン、石炭、銀、銅、鉛、亜鉛、コバルト、重晶石、螢石などを産出しているが、最も重要なのは燐鉱石である。
燐鉱石は、世界最大の埋蔵量(推定180億トン)を持ち、産出量は米国、ソ連に次いで第3位、輪出量では世界第1位を占めている。
採掘、精錬、輪出などの業務は、国営の燐鉱石公社(0ffie Cherifiendes PhosPhates“0CP”)が担当している。国内消費が少なく、産出量の大部分は日本、スペイン、フランス、イタリア、ベルギー、メキシコ、ポーランドなどへ輸出されている。輸出量は、世界的需要減退により、86年には前年の1,400万トンから、1,370万トンヘと低下した。
しかし、燐酸の輸出は86年には前年比15.1%増の110万トンに達し、