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 為替相場:1,000ディルハム:128.20米ドル)
 87年には、農業部門の輸出拡大を図るため、2億2,500万米ドルの世銀融資が承認された。
 モロッコは、農産物、鉱産物など一次産品への依存度が高いため、経済動向は天候、国際市況など外的要因に支配され易い。このため、政府は経済開発計画の推進、外資の導入などにより、経済構造の変革に努力している。
 農業が主たる産業基盤であるにも拘らず、食糧生産が順調でないのは、生産形態において近代的なものと伝統的なものとが併存していることに起因する。近代的部門では、農場は広大で灌概設備も完備し、近代的農業機械も導入されて、ぶどう、柑橘類などの輸出用農産物を栽培している。一方、伝統的部門では、経営面積が極めて小さく、農法も改良されていないため生産性は低い。農産物は穀物が中心であるが、国内需要を遙かに下回っている。政府は、数多くの灌概計画を実施するなど、天候に支配され易い農業形態の改善を図っている。
 サハラ砂漠側の乾燥地帯では、羊、山羊、牛を中心とした畜産業が盛んであるが、家畜製品、とりわけ牛乳などの酪農製品は国内需要を満たすことができず、かなりの数量を輪入で賄っている。政府は生産拡大を図るため、各種の助成策を講じており、また500万ヘクタールにも及ぶ広大な牧草地の開発を計画している。

 

 

 

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