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現在、チュニジア海運界で稼動している船舶は、500G/Tから1万G/T前後の中小型タンカー、オア/バルク・キヤリア、一般貨物船などが主なものであり、特殊船は主にフランス建造のケミカル・タンカーなど、極めて少数である。
 従って、どの建造国によっても、それらの間には目立った技術的特色は見られず、殆ど同一水準にあるので、優劣の差ば少ない。
 船価、支払条件についても同様であり、競争相手国間に大きな相違はない。急激な円高によるわが国の船価は別として、納期については現在、わが国は優位にあるが、世界的海運不況により各国とも手持工事が不足しているため、受注から着工までの期間が短縮され、納期についての差はなくなるものと思われる。

  (B)輸出対策

 チュニジア経済は、開発計画の実施など経済運営面で外国からの資金援助を不可欠としている。
 このため、政府は投資奨励庁を設置し、投資に対しては免税その他の便宜、恩典などを供与することを約束し、欧米諸国に呼びかけて投資誘致に積極的な努力を払っている。
 これに応えて、フランス、西独、スぺイン、オランダ、イタリアなどEC諸国や米国は、借款供与、合弁会社設立、技術提供その他各種の援助・協力を与えているが、これらはいずれも、チュニジアの将来の発展を期待し、これに備えての各国の輸出の伸展、拡大を図るための基礎づくりとしての手段である。

  (C)チュニジアに対する歴史的、経済的なつながり

 チュニジアの歴史は古く、紀元前12世紀頃のフェニキア人の到来にさかのぼる。フェニキア人は、カルタゴ(現在のチュニス)を基地として地中海の殆

 

 

 

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