87年の国内総生産(GDP)の成長率は、実質で55%という好結果を得た。このように国内総生産が大きく伸びたのは、農産物の生産が17.5%も増大したこと、輸出向け工業品(14%増)、観光収入(50%増)などが大きく増加したことによる。
チュニジア・デナール(TD)の価値が年々低下しており、特にここ2年間は約40%も平価が低下した。それが観光分野でば外国人旅行、にとって好条件となって、87年の観光収入が50%も増大する結果となった。海外在住のチュニジア移民からの送金収入は、86年と比較して5,000万ドル増加し、国家財政状態も好転しつつある。国際収支の赤字は86年の5億5,000万DTから、87年は3億DTに縮小した。
外貨準備高も87年には4億7,100万ドル(前年比1億9,400万ドル増)となり、対外累積債務も8億2,000万DTに軽減した。
(2)船舶事情
(A)保有状況
1987年末現在におけるチュニジアの保有船腹量は、100G/T以上の鋼造船が71隻、合計285,483G/T(449,685DWT)であり、これを船種別にみると次の通りである。