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 アルジェリアの国際収支に最も大きな影響を与えるのは、原油価格である。バレル当り1ドル値動きすると、アルジェリアの外貨収入は約4億ドル増減する。原油価格がバレル当り年間10ドル以上も下落した場合には、アルジェリアは対外債務の返済繰り延べを余儀なくされ、その後リスク解除まで最低5年を必要とするといわれている。
 また、原油価格が1ドル下落し、しかも経常収支のバラソスを崩さないとするなら、アルジェリアは年率3.5%程度の輸入削減を強いられることになる。アルジェリアの貿易は国家独占である。貿易収支は、社会主義型計画経済でもあり、輸出減に見合って輸入が削減されるため、79年以降引き続き黒字体質を維持している。
 反対に原油価格高騰の場合は、アルジェリアは経済調整計画(緊急財政)を放棄することができる。
 85年には130億ドルの水準にあったアルジェリアの輸出収入は、原油価格崩壊の影響を受けて、86年76億ドルヘ急落、87年には原油価格の回復によりやや持ち直したが、88年には再び悪化した。
 政府は、この収入の激減に対し、緊縮政策で臨み、85年の90億ドル(FOB)から

 

 

 

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