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 このほか、天然ガス輸出用パイプラインとしては、モロッコからジブラルタル海峡を経由してスペインヘ供給する西地中海パイプラインと、チュニジア経由でリビアに至るトランス・マグレブ・パイプラインの建設が検討されている。
 このほかに、ハシメサウド油田、バシルメルカス田とアルズーを結ぶコンデンセート輸送用のパイプラインが5本、、LPG輸送用のパイプラインが6本ある。
 これらのバイブラインのなかには、一部老朽化しているものもあり、89年の優先投資プロジェクトには、ハシメサウド〜スキクダ間の原油パイプラインの新替え、ハシルメル〜スキクダ間のガス・パイプラインの補修などが含まれている。
 アルジェリア経済に占める農業部門の比重が年々低下しているのに対し、製造業部門は近年急速に拡大している。しかし、これまでの重工業化路線のゆがみ、人材不足など製造業部門が抱える課題は多い。また、開発計画の実施を背景に、建設部門、運輸・通信、サービス部門などが、最近、国内総生産(GDP)の拡大に貢献している。
 製造業は、炭化水素部門を例外とすれば、アルジェリア政府が独立以来、その開発に最も力を入れてきた部門で、特に重化学工業に重点が置かれてきた。このため、基幹部門は早くから国営化され、積極的な開発投資が行われてきた。製造業の主要業種は、鉄鋼、輸送機械、電気機械、化学品、建築資材、繊維などであるが、特に鉄鋼業が重要である。近年の生産動向をみると、鉄鋼を中心とする金属、機械、電気部門、建設資材部門の伸びが著しい。これは、近年における開発需要を反映したものである。
 これらに比較すると、消費財部門の伸びは相対的に低い。しかし、資本財から消費財に至るまで需要の伸びは大きく、内需を賄うまでにはほど遠く、輸入に依存する傾向が、むしろ高まっているのが現状である。
 主要業種の動向をみると、鉄鋼は鉄鋼公団(SNS)がエル・ハジャールに一貫製鉄所を所有している。溶鋼生産能力は200万トン。高炉はフランスによって建設された日産1,500トンのものと、ソ連によって建設された日産3,500トンの2つがある。同製鉄所は、ほかに2つの酸素製鋼所を所有しており、その生産能力は130万トン/年である。
 輸送機械は、トラック、バス、トラクター、オートバイなどを生産しているが、商

 

 

 

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