
アルジェリアにおける原油の確認埋蔵量は、82年に前年の82億バレルから94億バレルに大幅な上昇を示した後、83年92憶バレル、85,86年88億バレル、87年85億バレルと漸減してきたが、可採埋蔵量は既存油田のデータの見直しおよび、水やガス注入による2次、3次などの強制回収法適用による回収量の増加が見込まれ、かつ新規油田の発見と合わせて、88年末現在では92億バレルに増大した。この埋蔵量は、世界第14位、世界全体の1%程度のシェアに相当する。 アルジェ市の南東850キロのサハラ砂漠に位置するハシメサウド油田(1956年に発見)がアルジェリア最大の油田であり、この油田からチュニジア・リビア国境に向って南東の方向へ延びる帯状の地域にガシティユ、テイソフィエ、ザルザイチソなどの主要な油田が集中している。 アルジェリアの代表油種は、軽質・低硫黄分(硫黄分0.2%)のサハラ・ブレンド原油で、このほかにザルザイチソ原油(硫黄分0.09%)を産出する。 原油生産能力は、70年代後半から80年代初期にかけて120万バレル/日前後であったが、以後減少を統け、現在では約70万バレル/日と推定されている。しかし、アルジェリア政府は、89年現在の産油能力は約83万バレル/日で、近い将来90万バレル/日まで増強する計画がある旨発表している。 生産実績は、60年には20万バレル/日、65年60万バレル/日、70年に100万バレル/日に達したが、71年の国有化の影響で80万バレル/日に低下した。しかし、72年には回復し、78年に116万バレル/日とピークを記録した。 以後、世界的需給緩和の影響および自国の資源温存策を反映して減少し、81年には80万バレル/日、85年75万バレル/日、86年65万バレル/日にまで低下した。 87年以降は、需要期には石油輸出国機構(OPEC)の生産協定(87年後半〜88年末の対アルジェリア割当量:66万7,000バレル/日)の枠内での生産を維持してきたが、86年以降の低原油価格を背景とする世界的な需要の高まりを反映して、89年に入りアルジェリアの生産量も75万バレル/日程度まで増大した。 現在の生産レベルにおけるアルジェリア原油の可採年数は約20年と推定されている。 アルジェリアは、原油の2倍以上の天然ガス資源を保有している。天然ガスの埋蔵量は、88年末現在で3兆2,000億m3で、世界第4位の大規模な埋蔵量である。
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