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めた上で決定しており、国営企業は同委員会の承認なしには輸入を行うことはできない。
 特に、船舶公団、スエズ運河公社などの国営企業との取引においては、入札関連情報の早期入手、応札書類の提出、事後の交渉などの面で現地工一ジェントが果たす役割は大きく、有力な工一ジェントを確保し連絡を密にしておくことが重要なポイントとなっている。

(7)競争相手国との競争条件の比較

(A)延払い、船価、品質等条件の比較

 従来、エジプトが輸入する船舶は、中小型貨物船を主としており、その他は運河改修用、港湾用の凌深船、曳船、バージ、作業船など一般的なものであるから、品質、性能の点では、どの造船国の製品も殆ど優劣の差はない。
 また、船価についても同様であり、延払い条件も国際慣習の枠内で決定されているので、これも大差はない。

(B)輸出対策

 エジプトは、自由地帯を設備して、外資による各種プロジェクトの進出・誘致に努めており、欧米企業はこの自由地帯を足場に合弁企業を設置して、将来の自国の輸出進出に役立てる基盤を構築している。
 わが国もこの自由地帯を利用して、合弁企業による技術の輸出、船舶修繕施設などの進出を図ることも必要と思われる。

(C)エジプトとの歴史的、経済的なつながり

 わが国は、1922年4月エジプトの英国保護領からの独立を承認し、36年1月に首都カイロに公使館を設置した。この公使館は第2次大戦中は閉鎖されたが、52年12月に再開され、54年4月に大使館に昇格した。
 一方、エジプトは53年8月に在日公使館を設置し、54年に大使館に昇格した。
 歴史上、オスマン・トルコや英国による支配など長年にわたって苛酷な干渉を受けてきたエジプトは、政治的独立を守るという意識が強く、対外警戒心が極め

 

 

 

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