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 関税制度については、関税率は他の途上国と同様に工業用原材料および資本財には比較的低い、その他の品目に対しては可成り高く定められている。特に著修品や消費財、耐久消費財には100%以上の輸入禁止的な高関税が課される品目が多い。
 関税率は、86年8月に全面的に改定された。
 課税方式は、すべて従価税方式(タバコ類のみ従量税)により課税される。課税基準はCIF価格による。輸入関税の支払いには、1ドル=1.89エジプト・ポンドの固定レートが、88年3月以降適用されている。
 エジプトは、どの国からの輸入にも同一の税率を適用しており、わが国に対して特別に差別的な輸入制限をしていないので、輸入上の問題はない。

(C)輸入資金の調達状況

 中央政府、公的機関、公共部門による輸入は、外国為替予算に定める範囲内で、中央銀行、商業銀行、および新銀行市場(新為替市場)を通して行われ、民間部門の輸入は新銀行市場(新為替市場)を通して行われる。
 新銀行市場(新為替市場)は、87年5月に導入され、外貨と内貨の両取引きを公認されている全ての銀行(38行)および旅行代理店(2社)が、この市場での取引きを許されている。
 エジプト経済は行政上、いくつかの部門(農業、工業、輸送など)に区分されているが、年間外貨予算はこの部門別に外貨予算割当て枠を定めている。各部門の管理当局は、この割当て枠の範囲内で、輸入すべき商品と輸入を担当する事業体を決定する。
 船舶輸入は、政府または政府機関を通して行われる場合が多く、この場合は開発計画に従って外国為替予算の下で外貨割当てを受けているので、輸入資金の外貨は予算に計上されており、何ら問題はない。
 民間の輸入は、信用状(L/C)開設に先立ち、35%の事前輸入預託金を、内貨または外貨で公認商業銀行に預託しなければならない。この預託金は輸入業者の自已資金で調達しなければならず、開設されたL/Cについては、その100%をカバーしなければならない。銀行は、35%の残り65%の全部または一部を融資する

 

 

 

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