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 鉄鉱は、主としてアスワン州から産出され、カイロ郊外のヘルワンには製鉄所があり、アスワンには鉄鋼工場もある。
 貿易関係では、石油が70年代後半以降、最大の輸出品目であったが、86年における石油価格の急落や石油の世界的供給過剰、あるいは国内消費量の増大などから、石油への輸出依存度は低下傾向にある。
 石油に次ぐ輸出品は綿花であり、86年には輸出総額の25%近くを占めている。その他の農産品としては柑橘類、野菜などがある。工業製品としては、綿糸、綿織物、アルミ地金などが主体であるが、最近では既製服、履物、医薬品などのほか、鉄鋼製品、化学肥料、鉄道車両、電気冷蔵庫なども輸出されている。今後は、工業製品のシェアが確実に拡大するものと予想される。
 輸入では、食料のシェアが86年では輸入総額の32%強を占め、次いで機械類、電気機械、輸送機械で25%強、以下、卑金属製品、石油製品、化学製品、木材・木材製品、紙・紙製品、繊維製品などが、いずれも10%前後のシェアで続いている。
 87/88年度(87年7月〜88年6月)の貿易収支をみると、輸出が前年の22億6,400万ドルから32億7,400万ドルヘと大きく伸びたが、輸入も同様に75億2,300万ドルから91億7,900万ドルヘと増大し、赤字幅を拡大させる結果となった。経常収支は、輸出の大きな伸びと、貿易外収入(スエズ運河収入、観光収入、投資収入、海外労働者からの送金)の増加で、前年の9億2,400万ドルの赤字から5億4,300万ドルの赤字

 

 

 

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