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 電力の生産は、87年には4万600メガワット/時に増加したが、とりわけ火力発電の伸びが目覚ましい。一方、水力発電は、ナイル川上流のアスワンにソ連援助で設した大規模の水力発電所があるが、最近ではナセル湖の水位低下によって発電二力は大幅に減少している。アスワンには、水力発電を利用した化学肥料工場、鉄鋼場などがあり、工業用電カヘの影響が懸念されている。
 エジプトは、原子力発電にも意欲的で、2005年までに8基の原子カ発電所を建設る計画がある。将来の火力発電計画では、国内は石炭に乏しいので、オーストラア石炭の現物出資(援助)を期待している模様である。エジプトでは、日本の発電技術が高く評価されている。
 エジプトは、中東・アフリカ地域における産油国の一つであるが、原油埋蔵量はオマーン(88年確認埋蔵量40億パレル)と、ほぼ同じ程度の39億バレルと推定されおり、サウジアラビアの1,670億バレル(88年確認埋蔵量)の2.4%程度に過ぎない。
 しかし、87年には4,500万トンの原油を産出し、そのうち約1,500万トンを輸出にけている。石油純収入は、84年には23億4,000万ドルに達したが、原油価格の低迷、85年22億8,000万ドル、86年18億4,000万ドル、87年10億9,000万ドルと、年々低したが、88年には15億2,000万ドルと、やや好転の兆しが見えてきた。
 エジプト政府は、自国経済の石油への依存度を軽減させる方向に進んでいる。しかし、一方では、海外からの援助を得て西部の砂漠における油田の開発探査を積極に推進しているが、88年末現在では未だ目立った成果は発表されていない。
 天然ガスは、74年にナイル川河口のAbu Madiガス田がエジプトでは初めて稼動86年の生産量は5,100万トンに達している。また、現在開発中の西部砂漠のAbuGharadeqガス田とアレキサソドリア近くのAbu Qirガス田が有望視されている。

 

 

 

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