家畜飼育数(87年)は、牛13万頭、羊22万頭、山羊71万頭、ろば3万頭、路駝8万頭と推定され、いずれも増加傾向にあり、食肉、皮革産業などの関連工業も発展しつつある。
87年にわが国は、オマーン政府に対し総額2億米ドルの借款供与協定に調印し、水資源探査活動、特に灌概、農耕機械の近代化など農業開発に積極的な援助・協力を行っている。
オマーンの経済を支えている石油産業は、1964年に国内に初めて油田(Fahud 油田)が発見され、67年に至って商業べ一スに乗る生産が開始され、輸出されるようになった。
87年現在、石油は国内総生産(GDP)の約45%、輸出収入全体の91%以上を占めている。
国内における石油埋蔵量は、87年1月1日現在40億バレルと確認されており、21世紀初期に至るまで87年水準の生産を継統することが可能といわれている。
オマーンは、石油輸出国機構(OPEC)に加盟していないので、自国の生産量を規制されることはないが、概ねOPECの価格政策に基づいた生産を行っている。
86年におけるオマーンの石油生産は、2億430万バレル(日量559,700バレル)で、このうち1億8,750万バレルは輸出に向けられ、9億8,100万オマーン・リアル相当の外貨を獲得している。
85年の後半からマルムール、ニムールおよびサイヤーラなど新油田における生産が相次いで開始された。
86年7月、世界市場の石油価格は過去10年間で最低のレベルに暴落した。このため、OPEC加盟国は減産協定を結んだ。一方、オマーンもOPECの意向を支持して、大幅な減産計画を発表した。
オマーンは、87年2月以降の原油生産を更に5%削減し、87年の国際石油価格を1バレルに付き18米ドルに安定させることに貢献した。
しかし、87年におけるオマーンの実際の生産量は2億1,250万バレル(日量582,200バレル)に増加したといわれ、また石油輸出も1億9,710万バレルに増大して、13億2,800万オマーン・リアル相当の外貨収入を獲得している。