日本財団 図書館


オマーン

(1)一般事情

 オマーンは、アラビア半島の東南端に位置し、東北はオマーン湾、東はアラビア海に臨み、北はムサンダム(Musandam)半島でアラブ首長国連邦と(同半島の突端はオマーン領)、西の内陸部はラブ・アル・カーリ(Rub'al Khali)砂漢でサウジアラビアと、南はイエメン民主人民共和国と接している。
 オマーンの面積は30万平方キロ(12万平方マイル)で、わが国の本州とほぽ同じ大きさである。
 87年における人口は、約133万人と推定され、全労働人口約38万人のうち約17万人(87年)が農・漁業に従事している。
 言語は、アラビア語が公用語であるが、英語が商業用語として一般に使用されている。
 気侯は砂漢気侯で、4月から10月にかけては高温・多湿で、首都マスカットでは47℃(117゜F)に達することもある。12月から3月末までは比較的に温和である。
 オマーンは、国土の大部分が不毛の砂漢から成り、僅かに沿岸の平原と灌概した盆地で農業が営まれている。
 耕地面積は国土全体の1%以下であり、農業部門の国内総生産(GDP)への寄与率は僅か3.5%(87年実績)に過ぎない。
 南部のナズワ地方と北部のハディーナ地方は農業が盛んで、小麦、デーツ(ナツメヤシの実)、ライム(熱帯果実)、アルファファ(牧草)、オレンジ、レモン、バナナ、ババイア、マンゴー、ココナツ、ソルガム、タバコなどを産出している。
 主要農産物のうち、デーツの収穫は8万トン(87年)にも達しており、その他の果実と共にインドをはじめ近隣諸国に輸出されている。
 牧畜も農業と関連して重要な経済活動であり、北部のサララ高原では牛、羊、山羊、など家畜の飼育が盛んで、住民の主要産業となっている。また、内陸の砂漢地帯では多数の路駝を飼育している。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION