天然ガスの輸出は、84年には55億ディルハム相当の外貨を獲得している。
アラブ首長国連邦における石油精製能力は、83年の日量13万バレルから、87年には19万バレル増加した。90年には日量36万バレルの精油能力をもつものと期待されている。
アブダビとドバイでは工業団地を開発し、既にアブダビは肥料工場、ドバイはアルミ精練工場が稼働している。
また、輸出向けの低廉な燃料を生産するため、86年には天然ガスの採取・加工工場を増設した。ドバイの液化天然ガス生産は、86年には日量35万バレルに達した。88年1月現在、ドバイにおける液化ガス埋蔵量は40億バレルと確認されている。
ドバイおよびシャルジャには、それぞれ2つの大規模な鋼材圧延工場がある。プラスチックはドバイとシャルジャの2工場で生産している。ドバイには機械鋳造や工具製造工場もある。フジャイラには製陶工場があり、アジマンには船舶修理や鉄鋼組立て工場がある。
アブダビのルワイス肥料工場では輸出向け硫黄、アンモニア、尿素などを生産し、アブダビのウムアル・ナルは塩、塩素、塩酸、苛性ソーダ、蒸留水などを生産している。
ドバイのジェベル・アリエ工業団地には、アルミ精錬、電力、脱塩工場などがある。アルミの年産約24万トンのうち、その96%は輸出に向けられている。
ジェルベル・アリには、このほかセメント工場、セメント・ブロック工場、鉄鋼構造物ブラント、ケーブル工場、アルミ圧延工場、製缶工場、発電進水ブラントなどがある。セメントの年間生産能力6百万トンのうち、その75%は輸出されている。
貿易関係では、87年の輸出総額が440億ディルハム(前年比16.7%増)、輸入総額が260億ディルハム(前年比10.2%)で、貿易収支は180億ディルハムの黒字を記録し、前年の141億ディルハムを27.7%も上回っている。
品目別でドバイの輸入(87年)をみると、機械・輸送機器(50億ディルハム)、工業製品(46億ディルハム)、化学製品(12億ディルハム)、食料品・動物(27億ディルハム)、原材料(4億ディルハム)、飲料・タバコ(2億ディルハム)など軒並み増加している。特に化学製品は前年比25.5%増の著しい伸びを示している。