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 らみて、その決定は入札価格のみでなく、その後の交渉によって最終決定されることが多い。
 従って、政府機関、企画省、各社の関係者などと絶えず接触を保つことが取引への糸口になる。

(7)競争相手国との競争条件の比較

(A)延払い、船価、品質等条件の比較

 クウェートが外国から輸入する船舶は、港湾用の雑船、漁船、一般貨物船から大型タンカーと多種類にわたっているが、いずれも在来の定型的なものであり、高度の技術を必要とするものはなく、どの造船国でも建造できる。
 従って、各国から輸入された船舶は、品質、性能の点では大きな差異はなく、目立った優劣の髪もない。
 契約条件も、石油収入により資金は十分にあり、外貨にも不自由しないので、延払い条件は問題にならない。
 クウェートの海運企業には、旧宗主国の英国が深く介入している関係上、計画、引合、取引き、契約の各段階においては、英国が最も優位な立場にある。
 しかし、納期の点では、わが国は英国、欧州建造国を引きはなして優位にある。船価については、わが国は円高の影響もあって、英国、欧州陣、韓国などと比べ不利な立場にある。

(B)輸出対策

 クウェートの海運界は、その経営、運航などの面で英国に負うところが頗る大きい。
 これが、商船隊の拡充計画に当り、船舶の選定、引合い、発注にも大きく影響を及ぼすので、これらの対策として、わが国はコンサルティング・エンジニアの派遣などによって、クウェート海運界の企画段階にまで常に接触できるような対策を講じることが必要である。

 

 

 

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