だけで、ほかには何も規則もない。外貨の送金も両替も自由にできる。
輸入代金支払いのための外貨は自由に入手でき、また貿易外取引の代金についても同様、渡航者はサウジアラビア通貨は勿論、信用状ならびに小切手類、他国の紙幣も自由にサウジアラビアに持ち込み、また持ち出すことができる。
関税制度は、アラブ連盟の単一コラム関税制を採用している。課税評価はCIF価格による従価税であるが、ガソリン、灯油など一部品目には従量税が課せられる。
従来、関税率は多くの品目が4%であったが、88年予算年度から大幅に引き上げられた。これによると、基礎食料品、重要工業原材料を除いて、最低税率は12%に引き上げられた。また、それまで10%品目であったテント、ペンキ、セメントなども国産品保護のため20%に引き上げられた。近年の財政赤字の解消に資するための措置であることはいうまでもない。
特恵関税は、アラブ連盟傘下の国で、加盟国間の貿易・為替協定の調印国に適用され、協定調印国で生産される特定の工業製品は無税、工業製品の一部は25%の関税引き下げが適用される。サウジアラビアが2国間貿易協定を結んでいるアラブ国家からの輸入に対しては、更に輸入関税の税率が引き下げられる。
わが国の対サウジアラビア向け輸出は、その約70%が機械・輸送機器などの工業製品で、そのほか金属製品、繊維製品などとなっている。輸入は原油・石油製品で99.6%を占め、両国間の貿易は、日本側の大幅な輸入超過が続いているが、日本製品輸出をめぐる貿易関係で特に問題となるようなものはない。
(C)輸入資金の調達状況
サウジアラビアにおける船舶輸入は、ライセンスの必要がなく自由であり、輸入代金支払いのための外貨についても、何の制約もなく自由に買入れることができる。
従って、自己資金があれば、輸入資金の外貨の取得は容易である。
また、自己資金のために融資を受ける場合でも、自国船優先主義を採用している同国であるので、融資も円滑に行われるので問題はない。