フィリピンにおける輸入管理制度は、ライセンス制度によらず、関税法と中央銀行の規定によって運営されているが、世銀の指導やIMF(国際通貨基金)管理下の経済運営の中で輸入は自由化の方向に進んでいる。
現行の関税制度は、共和国法1937号(Tariff & Custom Code)によって運営されているが、従前は国内産業保護の性格が強く、国産品と競合する商品に対しては、可成り高い税率を課してきた。
開放政策の推進と課題とするラモス政権になって以来、AFTA(アセアン自由貿易協定)に基づく貿易自由化を重視し、その一環として関税引き下げにも積極的に取り組んでいる。
関税の課税基準は、殆とが従価税であるが、一部に従量税が適用される。従量税は、品目によって総重量を対象とするものと正味重量を対象とするものがある。
また、輸出国において生産、製造、輸出に対する奨励金または助成金によって、フィリピンでの販売価格が不当に安くなり、このため国内の既存産業に不利益を与えたり、新規産業の設立を妨げると判断される輸入品に対しては、推定される奨励金ないし助成金と同額の相殺関税が賦課される。