日本財団 図書館


(5)漁業事情

  (A)漁業の実態

 フィリピンは海岸線に恵まれ、近海は水産資源が豊富であるが、近代漁船の不足、漁労技術の遅れ、漁港、冷凍施設、流通・加工システムなどの未整備、資源調査の不備、開発資金の調達難などにより、水産業の発展が妨げられ、漁獲量も目立った伸びを示していない。

 

080-1.gif

 

 フィリピンの漁業は、零細漁業による漁獲が50%強を占め、商業べースのもの30%弱、養殖によるもの20%強となっている。
 商業べースのものは、まぐろ、かつお漁業が中心であるが、燃料コストが割高のため、伸び悩んでいる。
 養殖漁業は、えびを中心に着実な伸びを示している。
 主要輸水産物は、日本向けの生鮮えび、まぐろ、かつお、いか、米国向けの缶詰(まぐろ、かつお)などである。

  (B)漁集開発計画

 フィリピンでは、Bureau of Fishieries & Aguatic Resources(BEAR)、Fisheries Indu-stryCouncil(FIDC)、Pfilippine Fisheries Marketing Authorities(PFMA)National Federation of Hishing Association(NFFA)など漁業に関する政府機関や民間組織を通じて、漁業開発の促進、漁業の近代化、漁業資源の保護、水産物および水産加工品の輸出の促進などを行っている。
 また、漁業開発については、国際機関や外国政府が、研究、調査、教育、訓練、融資、マーケティング、基本的施設に関するプロジェクトなどに援助している。
 フィリピン政府は、イロイロ、ザンボアンガなど主要漁港の整備や漁船、漁具、養殖プロジェクトなどへの貸付信用制度を実施しており、将来における増産が期待される。

  (C)漁船保有状況

 フィリピンの保有漁船(100G/T以上の鋼造漁船)は、95年末現在408隻(漁工船を含む)、合計102,609G/Tである。
 なお、過去10年間における漁船保有量の推移をみると、緩やかな伸びを示している。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION