日本財団 図書館


 

(E)取引ルート

 従来、スリランカにおける船舶の増強は、概ね国営海運会社が企画した案を基礎にして、大蔵省および企画省が貿易省および運輸省、その他関係部門と審議の上、財政事情などを勘案して輸入計画が作成されている。
 この輸入言十画は、更に中央銀行において審議され、外貨事情などを考慮して決定される。
 為替管理局は、これに対し年2回、半年毎に外貨裏付けのある外貨取得証明書を発行する仕組みになっている。
 従って、先ず国営海運公社のCeylon Shipping Corp.、さらには大蔵、企画、貿易、運輸など各省庁の関係担当官と接触し、情報を得ることが取引への正常なルートである。

(7)競争相手国との競争条件の比較

(A)延払い、船価、品質等条件の比較

 スリランカ政府は、自国海運を確立するため商船隊の増強に熱意を示しているが、現在の経済事情の下では独自の力で目標を達成することは困難である。
 従って、新造船発注の場合には、交渉相手国の援助に依存し、船価についても低船価を希望するのは当然であるが、問題はその代金をいかに決済するかの支払条件が焦点となり、この点にウエイトが置かれる。
 このような観点からして、わが国と競争相手国との比較では、品質、正確な納期の点ではわが国は優位にあるが、船価、支払条件については、わが国は一般に、常識的、国際慣習の枠内で処理しているのに対し、韓国その他の新興造船国は、国際的慣習を無視した、もしくは政治的考慮を加味した線で、先方に有利な条件を提出するなど、わが国にとって不利な場合が多い。

(B)輸出対策

 スリランカヘの輸出振興を図るため、各国がそれぞれの輸出対策を講じているが、スリランカ自体は極めて狭小な市場であるため、大きな経済効果は期待できない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION