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(B)輸入に対する機構、その他輸入上の問題点

 スリランカは、外貨事情の恒常的な逼迫や経済政策の社会主義的な運営のため、輸入については国家管理的な色彩が強く、事実上すべての輸入品目はライセンス制による厳しい輸入管理の下に置かれ、また数量割当規制が行われていた。
 しかし、1977年11月、スリランカ政府は経済の自由化政策を推進する方針のもとに、従来の複雑な外貨割当、ライセンスの取得といった諸規則の撤廃、公共部門中心の独占輸入を廃し、輸入の自由化を図るという政策転換を行なった。
 これにより、現在は、幾つかの基本必需品を除いては、大部分の輸入は自由化されており、民間部門と公共部門との共存、自由競争が行われている。

輸入規制品目:

 一部の指定輸入品を除き、事前承認は不要である。事前承認の必要な輸入品には、安全保障上の理由による規制商品、貴金属、アルコール、写真、映画現像所で使用する器材、写真複写および感熱複写機、映写スクリーン、カラー写真複写機、セメント商品(鉄筋の有無に関係なく)、コンクリートブロック、鉱澤、特定の消費財、および数種類の主要食品(米、小麦、穀物粉など)が含まれる。

 

 一部の特定品目は留保品目(Reserved Items)と呼ばれ、政府または国営会社の輸入に限定されている。この品目には、ジュート、マッチ、フィルム、苛性ソーダ、特定の石油製品などがある。

 

 特定の資本財の輸入には事前承認手続きが必要で、その輸入には1件の貨物がCIF価格70万ルピーを超える場合、外国投資に関連する特定の機械の輸入は、外国投資諮問委員会(FIAC)の承認を必要とし、国内投資に関連する機械の輸入は、国内投資諮問委員会(DIAC)の事前承認を必要とする。
 使用年数5年以上の中古自動車(農業用トラクターを含む)の輸入は禁止されている。

 

 

 

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