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 スリランカにおける漁業の近代化は、1960年代後半から各種の計画が本格的に実施され、セイロン漁業公社(Ceylon Fishing Corporation)、漁業訓練センター、水産試験所など、漁業振興のための政府機関が相次いで設立された。
 また、沿岸漁業の振興を中心とした政府の年次計画が実施され、沿岸漁船の増強、無動力船の動力化、漁港の建設、貯蔵冷凍施設の整備を図るとともに、漁船の建造、エンジンの購入にあたっては、政府補助金の交付、低利の融資がなされるなど、各種の助成措置が講じられている。
 更に、漁業の操業、効率向上の観点から、修繕施設の増強、魚網など漁具の供給、エンジン部品の供給の円滑化が推進されている。
 今後は、沖合深海漁業の開発が大きな課題となっているが、この部門の発展には外国からの資本・技術の導入が不可欠であり、このため、政府も進出企業には税制面での優遇措置を講じるなど、この部門の開発振興に力を入れている。

 

 前述のセイロン漁業公社(CFC)は、政府の漁業開発振興政策を商業べ一スで実施する機関として設立されたスリランカ最大の国営漁業会社である。
 その主要業務は捕獲魚の輸送、販売、冷凍貯蔵、加工処理、または輸出入に至る流通全般を行うとともに、スリランカでは数少ない遠洋漁業にも乗り出しており、同国の漁業の近代化に大きな役割を果たしている。

(6)船舶の輸入ルート

(A)ライセンス発給機関

 スリランカにおける輸入は、1977年11月に新しい特別輸入ライセンス制(Special Import Licence No.1 of 1977)が導入され、(1)個別の輸入ライセンスを要するSchedule Iに記載の品目と、(2)輸入に際して国内投資諮問委員会(DIAC)または外国投資諮問委員会(FIAC)の事前許可を要するSchedule IIに記載の品目に該当する品目の場合は、輸入ライセンスの取得が必要である。
 輸入ライセンスは、輸入の事前に許可申請を行い、これに対して輸出人管王里局長(Chief Controller of Import&Export)が発給する。

 

 

 

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